確定測量の進捗管理をChatGPTで確認・更新する方法:スプレッドシートを“AIに聞く”管理へ

確定測量の進捗管理をChatGPTで確認・更新する方法:スプレッドシートを“AIに聞く”管理へ

本記事では、確定測量の進捗管理を、GoogleスプレッドシートとChatGPTを連携させて劇的に効率化する方法を解説します。

情報過多で使いにくい管理表から卒業し、AIに「今週やるべきことは?」と聞くだけで状況把握ができる、新しい管理の仕組みをご紹介します。

確定測量の案件管理表を作成する際、「どの項目まで入れるべきか」と頭を悩ませたことはありませんか?

締切日や決済日といった期限、地積更正登記の要否、隣地への連絡状況、越境物の有無から、依頼者や役所への確認事項まで。
確定測量では、現在の進捗を正確に把握し、完了時期を見極めるために、実に多くの情報を管理する必要があります。

しかし、ここに大きなジレンマが潜んでいます。

情報を細かく網羅しようとすると管理表は肥大化し、パッと見て全体の状況が掴めなくなります。
かといってシンプルにまとめすぎると、どの案件が急ぎなのか、次の一手は何なのかという具体的な行動指針が見えなくなってしまうのです。

この厄介なジレンマを解消する鍵が、GoogleスプレッドシートとChatGPTの組み合わせです。

スプレッドシートを詳細情報を蓄積する「データベース」として活用しつつ、日々の進捗更新や状況の把握はすべてChatGPTに任せる。

必要なときに「今どうなっている?」とAIに尋ねるだけで、即座に答えが返ってくる運用です。

この記事では、確定測量の進捗管理を、スプレッドシートとChatGPTを使って、より確認・更新しやすい形へと進化させる具体的な考え方を解説します。

確定測量管理表が抱えるジレンマ:「詳細さ」と「見やすさ」の両立

確定測量の管理が難しいのは、完了予定や進捗状況を正しく把握しようとするほど、管理表に盛り込みたい情報が増えてしまう点にあります。

項目を増やせば判断の精度は上がりますが、一覧での見やすさは著しく低下します。
逆に項目を絞れば見やすくなりますが、適切な判断を下すための背景情報が欠落する恐れがあります。

もちろん、責任者である土地家屋調査士さんの頭の中には、各案件の状況がしっかり入っていることでしょう。

しかし、スタッフへ作業を分担したり、緊急の案件が飛び込んできたりすると、事務所全体で「どの案件が今どの段階にあり、誰が何を確認すべきか」を常に共有し続けるのは至難の業です。

だからこそ、豊富な情報量を保ちながらも直感的に分かりやすく、必要なときにサッと全体像を掴める管理表が求められるのです。

「入れたい情報」は山ほどある

確定測量の案件管理表を作った場合、単に「測量中」や「立会待ち」といった大まかなステータスだけでは不十分ではないでしょうか。

たとえば、期限に関しては、締切日、決済日、納品希望日だけでなく、社内での処理の目安(いつまでに現況測量を終わらせるか、いつまでに登記申請するか)も重要です。

また、分筆登記や地積更正登記の要否、売買や融資、相続など、測量の目的や登記に関わる背景も欠かせません。

さらに、現場や隣地の状況(連絡状況、立会予定、署名押印待ち、越境物や官民境界の有無)から、依頼者、司法書士、役所などの各関係者への確認待ちの状況まで、網羅すべき項目は多岐にわたります。
これらは決して不要な情報ではなく、完了予定を正確に読み解くために不可欠な要素なのです。

「シンプルすぎ」は行動に繋がらない

では、見やすさを優先して管理表をシンプルにしたらどうなるでしょうか。

シンプルな管理表の例(案件内容はフィクションです)

確かに一覧での視認性は高まりますが、隣地立会い、道路立会いが終わって役所に証明書請求中の時、
「筆界確認書取得・証明書請求中」まで結局書く必要があります。

もしも「立会い完了」だけだと、証明書請求中なのか、これから証明書請求なのか、次にとるべきアクションは全く異なります。

そのためシンプルな管理表は、こうした重要なニュアンスを削ぎ落としてしまうため、実務の判断材料としては心許ないかもしれません。
例のように、結局文字を増やして対応することになるでしょう。

「詳細すぎ」は全体像をぼやけさせる

一方で、これらすべての詳細情報を管理表に詰め込もうとすると、列数が膨大になり、備考欄のテキストが長文になります。

情報多めの管理表(案件はフィクションです)

その結果、表全体を見渡したときに、どの案件から手をつけるべきかが瞬時に判断できなくなるかもしれません。
そうなると、せっかく管理表を作っても、結局は担当者の記憶や口頭での確認に頼る羽目になりかねません。

まとめると、確定測量の管理表は常に以下のジレンマを抱えています。

  • シンプルにすると: 完了予定や具体的な確認事項が分からない。
  • 詳細にすると: 一覧性が損なわれ、全体像の把握が難しくなる。

この問題をどう解決するかが、進捗管理をスムーズに行うための最大のテーマとなります。

進捗管理の本質:「完了予定」と「現在位置」の把握

管理表にあれもこれもと情報を盛り込みたくなる気持ちは分かりますが、目的を整理してみましょう。私たちが進捗管理において最終的に知りたいのは、実は次の2点に集約されます。

  • いつ完了できるのか(完了予定)
  • 今、どの段階にいるのか(現在位置)

もし予定通りに進んでいないのであれば、そのボトルネックとなっている事情も知る必要があります。
この2点さえ明確になれば、今週着手すべき案件や、至急連絡をとるべき相手を的確に判断できるようになります。

ゴールによって変わる「完了予定」

「この案件はいつ終わるのか」を知ることは最重要ですが、確定測量のゴールは案件ごとに異なります。

筆界確認書+道路証明(いわゆる確定測量のみ)までの案件もあれば、分筆登記の完了までの案件もあります。

地積更正登記が必要なら法務局の申請期間と手間がかかりますし、決済が前提の案件であれば、そこから逆算したスケジュール管理が必須です。

同じ「確定測量」という括りでも、ゴール設定によって管理すべき期限の捉え方は大きく変わります。

「今どこにいるか」と「なぜ止まっているか」

もう一つの重要なポイントが「現在位置」です。

単なる「測量中」といった言葉ではなく、もっと具体的な状況を把握する必要があります。

たとえば、資料を調査している段階なのか、現地測量の日程調整中なのか、あるいは、隣地との立会調整が難航しているのか、役所での証明書発行を待っているのか。

進行が滞っている場合は、「越境物の取り扱いについて依頼者に確認中」など、その具体的な事情まで記録しておくことが重要です。

工程名だけでなく、具体的な確認事項や遅延要因を残すことで、初めて「生きている管理表」になります。

「次に誰へ、何をするか」を明確にする

この2点を常に把握すべき理由は、進捗を前に進めるための「次アクション」と「期限」を明確に設定することが不可欠だからです。

「隣地Bへ再連絡する」「遠方所有者へ書類を郵送する」「司法書士へ決済日を再確認する」など、次に誰に対してどんな行動をとるべきかが明確になっていれば、案件は確実に動き出します。

そうは言っても・・・

そうはいっても、ちょうどよい塩梅の項目数を探して管理表を作り、所長さんや現場責任者の方が工夫して現場を回しているのが現実ではないでしょうか。

立会い管理表の悩み

AI時代の新常識:詳細はスプレッドシート、把握はChatGPT

そこで、「スプレッドシート+ChatGPT」を使った案件管理です!

この案件管理方法をマスターできれば、個別情報はできるだけ細かく入力し、進捗状況の整理はChatGPTを使って自由にまとめることができます。

イメージとしては、上記の「情報多めの管理表」をベースとして、ChatGPT経由で情報入力、データ整理、進捗管理を行う、となります。

スプレッドシートを・ChatGPTの役割と設定方法を見てみましょう。

スプレッドシート:情報を整理して格納する

まずは、進捗情報を蓄積するスプレッドシートに必要な項目を設定します。
ここで大切なことは、最初から完璧を目指す必要はない、ということです。

「基本情報(案件ID、地番、担当者など)」「目的・期限」「進捗情報(現在工程、状況、次アクション、最終更新日)」「AI用情報」といった大枠を押さえておき、必要に応じて後から項目を付け加えれば大丈夫です。

情報を「一覧用」と「詳細メモ」に分ける

管理表の使い勝手を良くするコツは、パッと見て全体像を掴むための「一覧用の情報」と、深く知りたいときに読む「詳細メモ」を分けて管理することです。(「シンプルなシート」と「情報多めのシート」を作る感じです)

  • 一覧で見る情報:(シンプルなシート) 完了予定、現在工程、現在状況・確認事項、次アクション、最終更新日(これだけで次にやることが分かります)
  • 詳細メモに逃がす情報(情報多めのシート): 隣地ごとの細かい連絡履歴、越境物の詳細、役所との協議経過などの記入用です。

役所の処理期間も組み込む

確定測量の後半では、道路管理者などの処理期間が完了予定に大きく影響します。

市道、県道、土地改良区など、管理者ごとに異なる標準処理期間や提出物の情報を管理表に持たせておくと非常に便利です。

この時、公式な標準処理期間と、事務所独自の過去の実績(混雑状況による遅れなど)は分けて記録しておくと、より精度の高いスケジュール管理が可能になります。

ChatGPT:状況を要約し、質問に答える

ChatGPTは、人間の代わりに管理表の内容読み取り、進捗更新(入力)、データ整理、抽出等を行います
※Googleドライブとの連携には、ChatGPT有料版が必要です

「スプレッドシートはGoogle、ChatGPTはオープンAI社の製品なのに、連携できるの?
 Geminiの方がいいんじゃないの?」

このように思われるかもしれませんが、2026年5月現在、スプレッドシートとの連携はChatGPTの方が得意です。
ChatGPTはスプレッドシートへのデータ入力、更新ができるのに対し、Geminiは新規でスプレッドシートを出力できるだけなので、案件管理の補助にはChatGPTを使います。

設定方法

ChatGPTとGoogleスプレッドシートの連携は、左下の「設定」ボタンから行います。

  1. ChatGPT左下の「設定」➡「アプリ」➡「アプリの詳細を見る」➡Googleドライブを選択
  2. 「接続する」をクリック➡「GoogleDriveに進む」➡アカウント選択➡次へ➡続行
  3. 設定完了していると、チャット左「+」の中(「さらに表示」をクリック)に「Googleドライブ」が表示されます

ChatGPTからスプレッドシートを更新する方法

ChatGPTの入力欄に、スプレッドシートのURLを貼り付けて、「+」ボタンからGoogleドライブを選択する。

「https://docs.google.com/document/d/~~~~~~~=sharing
6月に完了する予定の案件をピックアップして」
「https://docs.google.com/document/d/~~~~~~~=sharing
一宮市○○町の山田さんの確定測量、隣地の立会日時が全員決まったので更新して」

といった指示をすれば、ChatGPTは各案件の状況を読み込み、スプレッドシートの更新を行ってくれます。

日常業務の激変:進捗更新と確認の手順

実際にAIを活用した管理に移行すると、日々の業務はどのように変わるのでしょうか。

進捗は「会話」で更新する

これまでは、スプレッドシートの該当する列を探し出し、そこに文字を入力していく必要がありました。

しかしChatGPTを使えば、現場での出来事や連絡内容を普通の文章で伝えるだけで済みます。

たとえば、このようにAIに話しかけます。

「〇〇市の案件、今日隣地Aさんに立会依頼をしたよ。Bさんは不在だったから再連絡が必要。決済は7月末予定。進捗は『立会調整中』のままで、次アクションを『隣地Bへの再連絡』にしておいて。」

これを受け、ChatGPTは「対応済み事項」「未対応事項」「次アクション」「最終更新日」など、管理表のフォーマットに合わせて情報を綺麗に整理した上で、スプレッドシートに反映させてくれます。

特に「次アクション」は入力しなくても確定測量の流れを事前に入れておけば自動更新してくれますし、日付もChatGPTに入力しておけばそのまま反映してくれます(タイムスタンプを利用して、日付を書かずに更新も可能です)。

全体の把握は「AIに質問する」だけ

『スプレッドシートを開いて、フィルターをかけて、該当の案件を探し出す……』そんな手間はもう不要です。

知りたいことがあれば、ChatGPTに直接尋ねましょう。

期限やタスクを確認したいとき:

  • 「今月完了予定の案件をリストアップして」
  • 「今週中に連絡をとるべき相手を、案件ごとに教えて」

滞留している案件を見つけたいとき:

  • 「2週間以上、進捗が更新されていない案件はある?」
  • 「役所の証明書発行待ちで、標準処理期間を過ぎている案件を教えて」

担当者ごとの状況を把握したいとき:

  • 「〇〇さんが担当している案件で、滞留している案件をピックアップして」

このように、朝の確認や週次ミーティングの準備も、AIとの簡単なやり取りで完結するようになります。

スムーズな導入のために:今の環境を活かして始める

「AI化」と聞くと新しいシステムをゼロから構築しなければならないと思いがちですが、その必要はありません
現在お使いのExcelやスプレッドシートをそのままベースとして活用できます。
※正確には、今のChatGPTではパソコン内にある「Excelの更新」はできないため、スプレッドシート化してから使うことになります

小さく始めて、徐々に育てる

いきなりすべての項目をAI対応にするのではなく、まずは「案件名」「完了予定」「次アクション」「最終更新日」「ChatGPT用要約」といった、最低限の列だけを整理して運用を始めてみましょう。

大切なのは、完璧な表を作ることではなく、無理なく更新し続けられる仕組みを作ることです。

業務利用におけるセキュリティ(推奨環境)

なお、実案件の依頼者名や所在地などの情報を扱う場合、セキュリティには十分な配慮が必要です。

無料版のChatGPTや個人用Googleアカウントでの運用はリスクが伴うため、業務利用においては「ChatGPT Business」以上のプランと「Google Workspace」の利用を強く推奨します。

※AI利用時の個人情報管理については、以下の関連記事で詳しく解説しています。

よくあるご質問

Q. 今使っているExcelの管理表はそのまま使えますか?

A. 基本的には使えますが、ChatGPTが読み取りやすいように、列の名称や進捗の分類を少し整理することをおすすめします。すべての情報を「備考」にまとめるのではなく、「次アクション」や「最終更新日」を独立した列にするだけでも、AIの回答精度は大きく上がります。

Q. 毎日すべての案件を細かく更新する必要がありますか?

A. いいえ。進捗に動きがあった案件のみを更新する運用で十分です。
重要なのは、「動きがあった際に、必ず『次アクション』と『最終更新日』を更新する」というルールを徹底することです。

Q. 道路管理者ごとの処理期間も管理すべきでしょうか?

A. 確定測量のスケジュールを正確に読むためには、ぜひ管理したい項目です。
役所HP等に書いている公式の標準処理期間と、事務所の過去の実績を分けて記録しておくと、より精緻な工程管理が可能になります。

まとめ:管理表を「探す」から「聞く」へ

確定測量の進捗管理では、完了予定や現在の状況を正確に把握するために、多種多様な情報を扱う必要があります。しかし、それらをすべて一覧表に詰め込んでは全体像が見えなくなり、簡略化しすぎると実務に役立ちません。

この課題に対する最適解が、「詳細情報はスプレッドシートに蓄積し、日々の確認や更新はChatGPTに任せる」という役割分担です。

スプレッドシートを廃止するのではなく、ChatGPTが読み書きできる「案件データベース」へと進化させるのです。この仕組みができれば、「今週動かすべき案件は?」「止まっている案件は?」とAIに尋ねるだけで、瞬時に必要な情報を得られるようになります。

管理表は作るだけでは意味がありません。常に最新の状態に更新し、必要なときに全体を俯瞰できる状態を保つことこそが、真の進捗管理と言えるでしょう。

確定測量の管理表をAI対応にアップデートしたい方へ

ここまで、スプレッドシートとChatGPTを連携させた新しい進捗管理の考え方をご紹介しました。

しかし、実際にどの項目を残し、どの情報をAIに任せるべきかは、事務所の主な取り扱い案件(分筆が多い、売買案件が多い、など)や、現在の管理手法によって異なります。

そのため、AIの杜さいたの無料相談では、一般的なテンプレートを押し付けるのではなく、現在お使いのExcelやスプレッドシートを拝見し、貴事務所に最適な「AI連携用の管理表」への整理方法をご提案しています。

「列が多すぎて見にくい」「進捗の分類が属人的になっている」「誰がどの案件を抱えているか見えない」といったお悩みをお持ちの方は、ぜひ現在の管理表と合わせてご相談ください。

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