GeminiはGoogle検索しているとは限らない|ハルシネーションが起きる理由と対策

GeminiはGoogle検索しているとは限らない|ハルシネーションが起きる理由と対策

Geminiを使っていると、文章は自然なのに、内容を確認すると事実と違う回答が出ることがあります。

これが、いわゆる「ハルシネーション」です。

ハルシネーションは聞いたことがあっても、次のようなイメージを持っていると見逃してしまうかもしれません。

GeminiはGoogleのAIだから、当然Google検索して最新情報を見ているはず。

Geminiには、Google検索と連携する機能があります。
また、Deep Researchのように、調査向けにGoogle検索を使う機能もあります。

しかし、Geminiの通常チャット回答が、毎回Google検索で確認された情報とは限りません。

そのため、最新の制度、商品情報、料金、政治・社会情勢、近年の事件などを調べる場合は、通常回答だけで判断すると危険です。

この記事では、Geminiでハルシネーションが起きる理由、ナレッジカットオフの意味、Deep Researchや検索ツールを使うべき場面を整理します。

ハルシネーションとは何か

ハルシネーションとは、事実ではない内容を、AIがあたかも正しい情報のように回答してしまう現象です。

問題は、回答が明らかに不自然なことではありません。
むしろ、文章が自然で、説明も筋が通っているように見えるため、間違いに気づきにくいことが問題です。

Google公式ヘルプでも、Geminiについて次のように説明されています。

「Gemini アプリは間違えることがあります。」

出典:Google公式ヘルプ「Gemini アプリを使用する」(2026年5月10日確認)

同じページでは、Geminiの回答を再確認し、専門的な助言についてはGeminiの回答に依拠しないよう案内されています。

つまり、Geminiは下書き、要約、構成整理には有用です。しかし、事実確認をせずに、そのまま顧客説明や記事本文へ使うべきではありません。

Gemini 3のナレッジカットオフは2025年1月

Geminiの回答を確認するときに重要なのが、ナレッジカットオフです。

ナレッジカットオフとは、AIモデルが学習済み知識として持っている情報の区切り時点を指します。

Google CloudのGemini 3公式ドキュメントでは、次のように説明されており、Gemini3が覚えている知識は「2025年1月までの知識ですよ」ということです。

「Gemini 3 のナレッジ カットオフは 2025 年 1 月です。」

出典:Google Cloud公式ドキュメント「Gemini 3 を使ってみる」(2026年5月10日確認)

ただ、これは2025年1月以降の情報をGeminiが絶対に扱えないという意味ではありません。
検索グラウンディング、Deep Research、外部ツールなどを使えば、最新情報を参照して回答することも可能です。

ただし、通常チャットが毎回最新情報を検索して確認しているわけではありません。
ここを誤解すると、古い情報を「現在の情報」として受け取ってしまいます。

特に、次のような情報は変更される可能性があります。

  • 政治家、首相、知事、企業役員などの現在の役職
  • AIサービスの料金、プラン、提供機能
  • 法律、制度、補助金、行政運用
  • 商品の販売状況、価格、在庫、後継機種
  • 近年の事件、訴訟、判決、和解、続報
  • Google、OpenAI、MicrosoftなどのAI関連サービス仕様

料金や制度のように変更頻度が高い情報は、通常回答だけで判断しない方が安全です。

「GoogleのAIだから毎回Google検索している」は誤解

GeminiはGoogleのAIです。そのため、ユーザーとしては「当然Google検索で確認しているだろう」と考えやすくなります。

しかし、「Google検索できること」「通常回答が毎回Google検索に基づくこと」は別です。

Google公式ヘルプでは、Geminiのソース表示について、次のように説明されています。

「すべての回答に関連リンクやソースが含まれるわけではありません。」

出典:Google公式ヘルプ「関連ソースを表示し、Gemini アプリの回答を再確認する」(2026年5月10日確認)

また、Double-checkで表示されるリンクについても、回答生成時に使われた根拠そのものとは限りません。
同じGoogle公式ヘルプでは、次のように説明されています。

「リンクは提供されますが、必ずしも Gemini アプリが回答を生成するために使用した内容とは限りません。」

出典:Google公式ヘルプ「関連ソースを表示し、Gemini アプリの回答を再確認する」(2026年5月10日確認)

つまり、Geminiの回答を見るときは、次を分けて考える必要があります。

  • 検索結果に基づいた回答なのか
  • モデルの内部知識から作られた回答なのか
  • 関連リンクが表示されているだけなのか
  • Deep Researchなどの調査機能を使った回答なのか

この区別をしないまま使うと、古い知識や推測を、検索済みの情報だと誤解してしまいます。

状態意味注意点
通常チャットモデルの知識や入力文脈から回答する最新情報とは限らない
ソース表示あり関連リンクが表示される場合があるリンクの中身を確認する必要がある
Double-checkGoogle検索で類似・相違を確認する
補助機能
回答生成の根拠そのものとは限らない
Google検索グラウンディング検索結果に基づかせる仕組み利用環境や設定に依存する
Deep Research調査向けに情報を集め、整理する機能最終確認は人間が行う必要がある

商品検索・料金比較・近年の事件は通常チャットに向かない

通常チャットだけで判断しない方がよい情報があります。代表例は、商品検索、料金比較、近年の事件、政治・社会情勢です。

商品情報は、価格、在庫、販売終了、後継機種、レビュー評価が変わります。AIサービスの料金や機能も短期間で変更されます。

近年の事件や訴訟も同じです。事件発生直後の報道、続報、訂正、判決、和解などによって、正しい説明は変化します。

以下のような質問では、Deep Researchや検索ツールを使い、出典と日付を確認するべきです。

質問例通常チャットの危険
おすすめのプリンターはどれか古い型番や販売終了品を挙げる可能性がある
ChatGPT PlusとGemini Advancedの違いは何か料金や機能変更を反映できない可能性がある
最近のAI著作権訴訟はどうなったか新しい判決や和解を落とす可能性がある
日本の首相は誰か政治人事の変化を反映できない可能性がある
近年の事件の概要を教えてほしい続報、訂正、判決を拾えない可能性がある

たとえば、他社サービスの例ですが、Geminiに「ChatGPTのビジネスプランの名称は?」と尋ねると、古い名称が表示される場合があります。

GeminiがChatGPTのビジネス向けプランについて回答している画面
Gemini(高速モード)による回答例

OpenAI公式ヘルプでは、ChatGPT Teamプランについて、次のように説明されています。

「2025年8月29日より、ChatGPT Team プランは ChatGPT Business に名称変更されました」

出典:OpenAI公式ヘルプ「ChatGPT Business への名称変更に関するFAQ」(2026年5月10日確認)

このように、AIサービス名、料金、機能のような情報は短期間で変わります。通常チャットの回答が自然でも、最新情報とは限りません。

最新情報を含めて調べたいならDeep Researchを使う

Geminiで最新情報を含めて調べたい場合は、通常チャットだけで済ませず、Deep Researchを使う方が適しています。

Google公式ヘルプでは、GeminiアプリのDeep Researchについて、次のように説明されています。

「ほとんどのテーマについて徹底したリサーチをリアルタイムで行えます。」

さらに、同じページでは次のようにも説明されています。

「デフォルトでは、Gemini は Google 検索をリサーチのソースとして使います。」

出典:Google公式ヘルプ「Gemini アプリで Deep Research を利用する」(2026年5月10日確認)

通常チャットは、文章作成、要約、アイデア出し、構成作成に向いています。
一方、Deep Researchは、複数の情報を確認し、比較し、調査レポートとして整理する用途に向いています。

ただし、Deep Researchを使えば完全に正しいという意味ではありません。

AI利用の原則として、最終的には公式サイト、一次情報、日付、出典を人間が確認する必要があります

ChatGPTなど、検索ツールを選択できるAIを使う選択肢もある

最新情報を扱う場合は、Geminiだけにこだわる必要はありません。
検索ツールを選択できるAIを使う方法もあります。

OpenAI公式ヘルプでは、ChatGPT Searchについて、次のように説明されています。

「ChatGPT will automatically search the web if your question might benefit from information on the web.」

出典:OpenAI公式ヘルプ「ChatGPT Search」(2026年5月10日確認)

英語の説明ですが、要するに、Web上の情報が役立つ質問ではChatGPTが自動的にWeb検索する場合がある、という意味です。
ただ、必ずWeb検索してくれるわけではないので、最新情報を検索する際には、手動でWeb検索を実行しましょう(「+」→「ウェブ検索」を選ぶ)。

大事なのは、どのAIが優れているかではありません。

重要なのは、いま見ている回答が検索済みなのか、AIの内部知識による回答なのかを区別することです。

最新情報を扱う場合は、次のいずれかを選びましょう。

  • GeminiのDeep Researchを使う
  • Google検索で公式サイトを直接確認する
  • ChatGPTなど、検索ツールを選択できるAIを使う
  • 顧客提出前に人間が一次情報を確認する

Geminiを使うときの判断基準

Geminiを安全に使うには、用途ごとに使い分けることが重要です。すべてを通常チャットで済ませるのではなく、情報の鮮度と責任の重さで判断します。

目的Gemini通常チャットDeep Research検索ツールを選べるAI人間確認
メール文の下書き不要不要表現確認
ブログ構成案事実確認
商品検索必須
AIサービス料金比較必須
法律・制度必須
近年の事件必須
現在の人物・役職必須
顧客提出資料必須

通常チャットは、文章を整える用途には便利です。しかし、事実の正確性が重要な場面では、検索、出典確認、人間確認を組み合わせる必要があります。

Gemini回答チェックリスト

Geminiの回答を使う前に、最低限、次の項目を確認してください。

特に、顧客に提出する資料、ブログ記事、研修資料、士業実務に関係する説明では必須です。

Gemini回答チェックリスト

□ 最新情報が関係するか
□ 2025年1月以降の情報が関係するか
□ 法律・制度・料金・商品・政治・事件が関係するか
□ 回答にソースがあるか
□ ソースの日付は新しいか
□ ソースは公式サイト・一次情報か
□ 関連リンクを、回答生成の根拠と誤解していないか
□ Deep Researchを使うべき内容ではないか
□ 検索ツールを明示的に使うべき内容ではないか
□ 顧客や読者に出す前に人間が確認したか

このチェックを通すだけで、AIの誤回答をそのまま使うリスクは大きく下がります。

まとめ:Geminiは便利だが、事実を保証する道具ではない

Geminiは便利なAIであり、文章作成、要約、構成案、アイデア出しでは強力な支援ツールになります。

しかし、通常の回答をそのまま「Google検索済みの正確な情報」と考えるのは危険です。

GeminiにはGoogle検索と連携する機能やDeep Researchがあります。
ただし、それは通常チャットの回答が毎回、最新情報を検索して検証されているという意味ではありません。

特に、商品検索、料金比較、法律・制度、現在の人物・役職、近年の事件などは、通常チャットだけで判断しない方が安全です。

Geminiを安全に使うコツは、次の役割分担です。

  • 文章作成や要約は通常チャットで行う
  • 最新情報や比較調査はDeep Researchを使う
  • 商品検索やニュース性の高い情報は検索ツールを使う
  • 顧客提出や専門判断は人間が公式情報で確認する

AIは、文章を作る道具としては非常に強力です。しかし、事実を保証する道具ではありません。

「AIが答えたから正しい」ではなく、「AIに下書きさせ、人間が根拠を確認する」。この使い分けが、Geminiを含めたAIを安全に使うための基本です。

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