ついに、GeminiがWord・Excel・PDFなどのファイル生成に対応しました!
対応形式には、Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドに加え、Word(.docx)、Excel(.xlsx)、PDF(.pdf)、CSV(.csv)などが含まれています。
ただ、普段からChatGPTなどのAIを実務に活用している方であれば、こう思うかもしれません。
え?今までできなかったの?
ChatGPTなら、以前からWordやExcelの出力はできていたのでは?
こんな疑問を持つ方も多いかと思いますが、実は、GeminiにはWord・Excelへの出力が無かったのです。
そして、ChatGPTはWord・Excel出力ができていたのでChatGPTの優位なポイントでしたが、また一歩、Geminiが王者ChatGPTに近づいたと言えるでしょう。
今回変わったのは、AIが文章を書けるようになったことではありません。
AIが作った文章や表を、Word・Excel・PDF・Googleスライドといった成果物ファイルに直接出力しやすくなったことです。
本記事では、今回のGeminiの新機能によって何が変わったのか、ChatGPTの機能とどう違うのか、そして土地家屋調査士事務所でAIを使う際にどのような運用ルールが必要になるのかを整理します。
1. 変わったのは「文章作成」ではなく「成果物化」
これまでもAIは、送付状の文面を作ったり、会議メモを議事録風に整理したりと、「文章や表の中身」を作ることはできました。
しかし、実務では「中身ができた」だけでは終わりません。
AIの出力結果をコピーして、WordやExcelに貼り付ける。体裁を整える。PDFに変換する。
そして必要に応じて保存し、所内で共有する。
このような「成果物化」の作業が残っていました。
今回のGeminiのアップデートは、この手間を大きく短縮し、チャットの指示から直接、成果物ファイルを出力できるようになった点が重要です。
対応する主なファイル形式は、次のとおりです。
| 種類 | 主な形式 |
|---|---|
| 文書 | Googleドキュメント、Word(.docx)、PDF |
| 表計算 | Googleスプレッドシート、Excel(.xlsx)、CSV |
| スライド | Googleスライド |
つまり、AIが「文章のドラフト作成」だけでなく、「実務で使えるファイル形式に整える作業」まで担いやすくなったということです。
AIのテキストを実務で使えるファイルに変換するための「最後の1マイル」が短くなったことこそが、今回のアップデートの実務上の意味です。

2. GeminiとChatGPTの違いを整理する
では、すでにファイル処理機能を進化させてきたChatGPTとは、何が違うのでしょうか。
両者の現在地を整理すると、次のようになります。
| 項目 | Geminiの現在地 | ChatGPTの現在地 |
|---|---|---|
| これまでの強み | 図面・PDF・表の読み取り、 テキスト抽出、文章の推敲 | Web調査、構成案作成、論理的な文書作成、 データ分析 |
| 今回の進化 | 読み取った内容や生成した文章を、 Word・Excel・PDF等で直接出力しやすくなった | 以前からファイル分析、Canvas、 データ分析機能などにより、 実務上のファイル出力に対応していた |
| Word | Word(.docx)出力に対応 | Canvas等からWord(.docx)出力が可能 |
| Excel | Excel(.xlsx)出力に対応 | Excelファイルの読み込み、分析、 ファイル生成が可能 |
| PDF出力に対応 | Canvasやファイル生成でPDF出力が可能 | |
| スライド | Googleスライド作成に対応 | PPTXの扱いやスライド構成支援が可能 |
| 強み | Google Workspaceとの連携 | データ分析、文書編集、再利用性 |
Geminiは決して「今まで何もできなかった」わけではありません。
PDFや画像を含む資料の読み取り、テキスト化、要約に使いやすい場面があります。
ChatGPTが「データ分析」「Canvas」「ファイル保存」といった機能の積み重ねでファイル出力をスムーズにしてきたのに対し、今回のGeminiのアップデートは、生成・読み取り・整理した内容を、最初から指定のファイル形式で書き出しやすくした点に意味があります。
ここで重要なのは、「どちらのAIが優れているか」ではありません。
事務所の業務インフラがGoogle中心なのか、Microsoft中心なのか。資料を読み取らせたいのか、ゼロから文書を構築したいのか。その目的に合わせて、どの業務にどのAIを使うかを設計することが重要です。
3. Word・Excel出力対応で、実務の「何が」便利になるのか
「今までもAIで文章を作れていたなら、ファイルとして出力されなくてもよいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、実務ではこの違いは大きいです。
これまでは、AIの回答をコピーし、WordやExcelを開いて貼り付け、フォントや改行を整え、印刷レイアウトを調整し、必要に応じてPDF化する作業がありました。
アップデート後は、AIに指示して、完成に近いファイルをダウンロードする流れに近づきます。
もちろん、確認や修正が不要になるわけではありません。
しかし、整形やファイル化にかかっていた手間は大きく減ります。
土地家屋調査士事務所であれば、送付状、業務チェックリスト、依頼者説明資料、社内共有資料などで効果が出やすいと考えられます。
4. 土地家屋調査士事務所でAIを使いやすい3つの業務
土地家屋調査士業務のAI化といっても、いきなり高度な判断を伴う業務にAIを使うことはありません。
まず試しやすいのは、送付状や案内文の下書き作成です。
隣地への挨拶文や依頼者への送付状など、構成がある程度決まっている文書は、AIに作らせたうえで人間が確認・修正する使い方と相性が良いです。
次に、チェックリストや管理表です。
受任時の確認事項や書類回収状況などは、Excel形式で整理しやすい業務です。
AIに「型」を作らせることで、スタッフ間での共有もしやすくなります。
3つ目は、議事録や社内共有資料です。
打ち合わせメモを整理し、WordやPDFにまとめる。
あるいは、手続説明用のスライドのたたき台を作る。
こうした用途は、専門判断そのものではなく、情報整理の補助として使いやすい分野です。
5. 便利になった分、「確認しないまま使うリスク」が高まる
ここからが、土地家屋調査士事務所にとって重要な点です。
AIがWordやExcelを直接出力できるようになると、作業は速くなります。
一方で、人間が途中で内容を確認する機会は減ります。
これまでの「コピーしてWordに貼る」「Excelに整える」という作業は、面倒ではありました。
しかし、その作業が、個人情報が入っていないか、文面に違和感がないか、数字が不自然ではないかを確認する時間にもなっていました。
いわば、面倒な手作業が安全フィルターにもなっていたわけです。
ファイルが直接完成に近い形で出てくるようになると、この確認機会が減ります。
そのため、事務所側で意識的に確認ルールを作る必要があります。
1. 個人情報をそのまま入力しない
土地家屋調査士業務では、依頼者情報、地番、隣地所有者情報など、個人や案件を特定できる情報を多く扱います。
AIに入力する前に、匿名化する。入力してよい情報と、入力してはいけない情報の基準を事務所内で決める。
これは最低限必要です。
2. Excelの計算結果は必ず検算する
AIは、もっともらしい表を作るのは得意です。
しかし、組み込まれた数式や参照範囲、面積計算などが常に正しいとは限りません。
AIが作成したExcelは、あくまで「型」として使う。数値の正確性は人間が確認する。
この使い分けが必要です。
3. 登記判断・境界判断はAIに任せない
AIは優秀なアシスタントですが、資格者ではありません。
登記の可否、筆界の判断、法的リスクの評価など、最終判断と責任は土地家屋調査士本人が担う必要があります。
AIに任せるのは、文書作成、整理、たたき台作成まで。専門判断は人間が行う。
この線引きは明確にすべきです。

6. まとめ|ツール名よりも「運用ルール」が重要
Geminiのファイル出力対応により、AIはさらに実用的な道具へと進化しました。
ChatGPTも含め、AIはすでに「そのまま使える成果物」に近いものを出す時代に入っています。
しかし、AIがどれほど便利になっても、土地家屋調査士の専門性が不要になるわけではありません。
送付状や管理表の作成といった事務作業をAIに任せることで、現場での判断、依頼者との対話、専門的な説明といったコア業務に費やす時間を増やすことができます。
これが、AI導入最大のメリットです!
Geminiを使うか、ChatGPTを使うかは本質的な問題ではありません。
重要なのは、AIが成果物を直接出せるようになった今、それに代わる安全な確認ルールを、自事務所の業務フローにどう組み込むかです。
AI活用と情報管理に不安がある土地家屋調査士さんへ
AIは、禁止すれば済むものではありません。
むしろ今後は、土地家屋調査士事務所の周辺業務を効率化するために、AIを安全に使う仕組みが必要になります。
一方で、
- どのAIツールを使えばよいか分からない
- 個人情報や地番をどこまで入力してよいか判断できない
- 従業員がすでにAIを使っているかもしれない
- AI利用ルールをどう作ればよいか分からない
- ChatGPTの法人プランを導入すべきか迷っている
- 所員向けにAI研修を行いたい
という事務所も多いはずです。
そのような場合は、まず現在のAI利用状況を棚卸しし、事務所として管理できる形に整えることから始めるのが現実的です。
AIの杜さいたでは、土地家屋調査士事務所をはじめとする士業事務所向けに、AI利用ルールの整理、入力禁止情報の設計、法人向けAIツールの選定、所員向け研修、実務に即したAI活用方法の導入支援を行っています。
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参考ソース一覧
Google公式ブログ|Generate files in Gemini
https://blog.google/innovation-and-ai/products/gemini-app/generate-files-in-gemini/
Google Workspace Updates
https://workspaceupdates.googleblog.com/2026/04/move-from-conversation-to-creation-with-file-generation-in-Gemini.html
技術評論社|Gemini、プロンプトだけでPDF、Googleドキュメント等作成可能に
https://gihyo.jp/article/2026/04/generate-files-in-gemini
OpenAI Help Center|対応ファイル形式
https://help.openai.com/en/articles/8983675-what-types-of-files-are-supported
OpenAI Help Center|File Uploads FAQ
https://help.openai.com/en/articles/8555545-file-uploads-faq
OpenAI Help Center|Canvas機能
https://help.openai.com/en/articles/9930697-what-is-the-canvas-feature-in-chatgpt-and-how-do-i-use-it
OpenAI Help Center|ChatGPTのファイル保存とLibrary
https://help.openai.com/ja-jp/articles/20001052-chatgpt-%E3%81%AE%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB%E4%BF%9D%E5%AD%98%E3%81%A8-library