🎍 新年あけましておめでとうございます 🎍
旧年中は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
2026年が皆様にとって、さらなる飛躍と実り多き一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。
さて、お正月休みはゆっくりと英気を養えましたでしょうか?
新年最初の記事となる今回は、「今年はもっと業務を楽に、そして確実にしたい」と願う先生方へ、とっておきの「AI活用ノウハウ」をお年玉としてお届けします。
AIの杜さいたの岡田は本年も、士業AI活用ナビゲーターとして全力でサポートさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、今年の抱負として「業務効率化」を掲げている先生も多いかと思いますが、「AI活用」についてはどうお考えでしょうか?
「AI活用」「業務効率化」
そんなキーワードで検索しても、出てくるのは「メールの自動作成」や「議事録の要約」ばかり…。
土地家屋調査士の皆様が本当に知りたいのは、「で、この登記業務や測量業務のどこに使えるの?」という点ではないでしょうか。
「やっぱり士業のニッチな実務には使えないか…」と諦めかけている先生方、ちょっとお待ちください。
あります! AIは今、「地積測量図や現況測量図のチェック(検図)」に使えるレベルまで進化しています。
私は士業専門のAI活用ナビゲーターとして、土地家屋調査士・登記事務所の業務改善をお手伝いしています。
今回は、土地家屋調査士業務の中でも特に神経を使う「地積測量図や現況測量図のチェック」にAIを活用する方法をご紹介します。
事務所の「検図体制」に、こんな課題はありませんか?
調査士事務所の現場では、こんな「あるある」な悩みをよく耳にします。
1. ハウスメーカーごとの「細かすぎる独自仕様」の確認
「A社の現況測量図は都市計画図の北を併記する」
「B社は最低レベルをKBM±0に設定」
「C社は縮尺1/200か1/300指定(1/250は不可)」
「接道する道路と外枠が平行になるように作図」
などなど、取引先ごとに異なる膨大なルール、全て完璧に記憶できていますか?
担当者が変わるたびに「前の人はやってくれたのに」と言われてしまうストレス、AIで解消できます。
2. 属人化する「検図」スキル
地積測量図の細かなチェックや、そのエリアの事情(道路管理者ごとに違う確定図や作法)に気付けるのは、結局10年選手のベテラン補助者だけ。
「この人が休んだり辞めたりしたら、誰がチェックするの?」というリスクを抱えていませんか?
3. 新人の教育コストと「うっかりミス」
他業種からの転職組に「地積測量図の記載事項」をゼロから教えるのは骨が折れます。
また、繁忙期には人間どうしても集中力が切れます。
地番の枝番抜け、日付の間違い……そんな些細なミスで補正になるのは避けたいものです。
そんなお悩み解決には、AI(人工知能)の出番です。
AIに「目」ができました
以前のAIは文字しか読めませんでしたが、最新のAI(GeminiやChatGPTなど)は、PDFや画像データを読み取る「目」を持っています。
人間が目で見てチェックするように、AIも地積測量図や現況測量図を読み込み、記載事項に漏れがないか、整合性が取れているかを一瞬でチェックしてくれます。
実際に、ある古い地積測量図(PDF)をAIに読み込ませて、チェックさせた実例をご覧ください。
明日から使える!「指示文(プロンプト)」のテンプレート
AI(ChatGPTやGeminiなど)に図面ファイル(地積測量図や現況測量図)をアップロードし、以下の指示を出してください。
このボックスの中身をコピーしてそのまま使えます。
▼以下のテキストをコピーしてAIに貼り付けてください
※ボックス内をクリックすると全選択されます
AIからの回答(出力結果)
すると、AIは10秒程度で図面を解析し、以下のような回答を返してきました。
【AIの回答】
アップロードされた地積測量図(名古屋市中村区太閤三丁目〇〇番ほか)を確認いたしました。
この図面は平成11年8月18日に登記されたものです。地積測量図 記載事項チェック結果
チェック項目 判定 備考・確認内容 【基本事項】 地番区域の名称 〇 「名古屋市中村区太閤三丁目」との記載あり。 地番(元地番・隣接地番) 〇 元地番(〇〇番1, 〇〇番2等)および隣接地(〇〇番3, 〇〇番4等)の記載あり。 分筆後の土地の符号 〇 (A)~(D)の符号が各筆に付されています。 方位 〇 図面右上に方位記号(北)あり。 縮尺 △ 1/1500 で作成されています。
※リストの「原則1/250」とは異なりますが、広大な用地(〇〇公団関連)のため適宜の縮尺として許容されたものと推測されます。【測量・技術的記載事項】 地積及び求積方法 〇 2枚目に座標求積表があり、地積計算が記載されています。 筆界点間の距離 〇 図面上および求積表に記載されています(例: 68.118, 115.268等)。 筆界点の座標値 〇 求積表にX座標・Y座標の記載あり。
※ただし、平成11年のため「世界測地系」ではありません(日本測地系/旧座標)。筆界点の名称及び種類 〇 図面に点名(835, T-1等)があり、左下に凡例(A:コンクリート杭, C:金属プレート等)の記載があります。 平面直角座標系の番号 × 明確な記載が見当たりません。
※当時の様式では、座標系(第7系など)の明記が現在ほど厳格でなかったか、図郭外や別枠等のOCRで読み取れない箇所にある可能性があります。基本三角点等の名称・座標 〇 「恒久的地物の名称及び座標値」として、T-1, T-2等の座標が記載されています。 基準点の凡例 〇 T-1等の種類(コンクリート杭など)が記載されています。 【署名・日付・その他】 測量の年月日 〇 「平成11年6月28日作製」との記載あり。 申請人の記名 〇 「〇〇建設公団 〇〇支所長」の記名あり。 作成者の署名又は記名押印 〇 「土地家屋調査士 〇〇 〇〇」の記名・職印あり。 【補足・分析】
この図面は平成14年の測量法改正前の平成11年作成ですので、日本測地系(旧測地系)に基づいています。
現在の業務(復元や再分筆など)で利用される際は、座標系の違い(世界測地系への変換が必要な点)にご注意ください。
いかがでしょうか?
単に「書いてあるか」だけでなく、「縮尺が通常と違う」「座標系が古い(旧日本測地系である)」といった、専門的な注意点まで指摘してくれています。
なお、この記事では図面のチェックについてのAI活用方法を解説していますが下記の記事では地積測量図の座標読み取りについても紹介しています。よろしければご覧ください。
応用編:慣れてきたら「専用プロンプト」を作ろう
AI活用の真骨頂は、指示出し(プロンプト)のカスタマイズにあります。業務内容に合わせてチェックリストを書き換えることで、AIはあなた専用の最強の助手に進化します。
- 📌 ハウスメーカー指定の現況測量図用
「BM(ベンチマーク)の記載有無」「隣地越境物の表記」「マンホール等の現況物」「縮尺は1/200か1/300か」など、設計担当者が気にするポイントを重点的にチェックさせる。 - 📌 ○○市の確定図(道路査定図)用
自治体ごとに決まっている「引照点の記載ルール」「路線の種別表記」などをリスト化してAIに覚えさせる。
一度「自社専用の最強チェックリスト」を作ってしまえば、あとは毎回コピペするだけ。
業務ごとにテキストファイルに保存しておけば、新人スタッフでもベテラン並みの視点でチェックが可能になります。
AIを「最強のダブルチェッカー」に
もちろん、最終的な判断や責任は資格者である土地家屋調査士の先生が担う必要があります。しかし、
- AIに一次チェックをさせる(形式的な不備を洗い出す)
- 人間が最終確認をする(法的な判断や微調整を行う)
このフローを導入するメリットは計り知れません。
1人で切り盛りされている先生にとっては、自分自身の見落としを防ぐ「セルフチェック」の精神的負担が劇的に軽くなります。
孤独な検図作業に、頼れる相棒ができるようなものです。
スタッフを抱える事務所では、単純な記載ミスの8〜9割をAIが事前に拾ってくれるため、有資格者は本来注力すべき「法的判断」や「最終確認」だけに集中できるようになります。
「AIは文章を書くだけ」という思い込みを捨てて、ぜひ明日の業務から「AI図面チェック」を取り入れてみてください。
業務の景色が、ガラリと変わるはずです。