去る1月16日、愛知県土地家屋調査士会 名古屋東支部様よりご招聘いただき、ウインクあいちにてAI研修を担当させていただきました。
テーマは、
ChatGPTなどのAIを 調査士業務へどう活用していくか
です。
当日は50名近い土地家屋調査士さんが参加され、個人情報の取扱い(どこまで入力していいの?)や、「画地調整はAIでいつ頃できそう?」といった鋭い質問まで飛んできて、こちらも良い意味で背筋が伸びました。
そして何より、AIが気になっている方が多い印象でした。
実はすでにお仕事でAIを使われている先生も結構いらっしゃって、会場の空気として「もう他人事じゃない」という感じがありました。
まずはデモ:地積測量図の「座標化」
今回の研修の掴みは、地積測量図(PDFも可)をAIに読ませて、座標値を抽出→検算→CSVへ整形する、というデモです。
もちろん万能ではありません。手書きが多い三斜求積などは、求積している三角形の特定が難しく、現状だと座標化が難しいです(ここはまだ研究中という印象)。
ただ、ここでお伝えしたかったのは「専用ソフトがあるからAIはいらない」ではなく、汎用AIが専用領域を侵食し始めているという事実です。
そして、これは毎回言いますが、AIの出力は「チェック(照合)」が前提です。もっともらしいウソ(ハルシネーション)や、数値の読み間違い/桁ズレ/脱落は起こり得ます。
「AIがこう言った」ではなく、最後はプロが締める。ここが肝です。
立会いシミュレーター「ごんぞうさん」…暴走
そして今回、事件が起きました。
立会いシミュレーター(カスタムGPT)「ごんぞうさん」が、暴走しました。
こちらが軽く投げたつもりでも、AI側が超長文で返したり、やたら箇条書きで詰めてきたり、テンションが高すぎたり……。
会場も「ええ…」という感じで凍りつきました。
でも、そこからがさすが調査士さん。
「根拠がないことは言わない」「まず測って、図面と照合してから説明する」「協力をお願いする立場で丁寧に段取りを作る」—— こういう基本を外さずに、きっちり相手(AI)をいなして、高得点を出されていました。
調査士側を担当いただいた、遠山先生、後藤先生、ありがとうございました。
個人的に印象に残ったのは、「いきなり断言しない」「測量と照合を挟んで、根拠のある説明にする」という姿勢です。
AI時代になっても、ここは変わらないし、むしろ価値が上がる気がします。
アンケート
アンケート回答は、満足度は高めでした(満足以上がほとんど)。
また、AIの利用頻度についても「週1回以上」の方が複数いらっしゃり、ChatGPTやGemini、Copilotなどを併用されている様子でした。
効率化したい業務としては、マニュアル作成、調査報告書、挨拶状・送付文、画地調整などが挙がっていて、やっぱり皆さん「現場の周辺業務」を減らしたいんだな、と改めて実感しました。
余談:2022年からAIで下書きしてる先生が…
研修後の懇親会で聞いた話ですが、調査士会の文章やスピーチの下書きに、2022年頃からAIを使っている先生がいらっしゃって、正直「ライバル…??」と思ってしまいました。
でも、こういう話を聞くと、調査士業界でもAIは「これからの話」ではなく、もうすでに始まっているんだな、と実感します。
最後に
名古屋東支部の先生方は、反応も質問も鋭く、とても刺激的な研修でした。
運営いただいた名古屋東支部の皆様、そして会場でご参加いただいた先生方、改めてありがとうございました。
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