ChatGPTにブランチ(枝分かれ)機能搭載(9月5日)

ChatGPTにブランチ(枝分かれ)機能搭載(9月5日)

OpenAIは2025年9月5日、ChatGPTの新たな機能として「ブランチ機能」を発表しました。

この機能は、単なるユーザーインターフェース(UI)の改善に留まらず、ChatGPTの柔軟性を大幅にアップさせるものです。

「調査士業務についての記事を書く準備ができました。建物・土地、どちらから作成しますか?
「業務効率化のアイデアは次の5つが考えられます。どれから始めますか?

チャットを進めているとこのような選択を迫られることがありますが、一方を選択すると残りの選択を忘れてしまったり、後から残った方をやり始めると「なんか違う」となってしまいます。

そんな悩みを解決するのが今回新たに搭載された「ブランチ(枝分かれ)機能」です。

この記事では、ブランチ機能の紹介、どうして重要な機能か、そしてどのような場合に役立つかを詳しく解説します。

最後までご覧いただけば、ブランチ機能を使って提案された複数の選択肢を全て試したり、同じ作業を異なる条件で試すことが可能になるでしょう。

【基礎解説】「ブランチ機能」について

では、新たな機能「ブランチ機能」について解説します。

「ブランチ」とは何か?

ChatGPTに新たに追加された「ブランチ機能」は、文字通り、会話を「枝分かれ」させる機能です。

一本の木から複数の枝が伸びるように、一つのチャットの会話の流れから、別の複数の会話を並行して進めることができるようになります 。

元の会話(幹)はそのままに、特定のメッセージから新しい道筋(枝)を探求できるため、アイデアを試したり、異なるアプローチを比較したりする際に、これまでの会話を失う心配がありません。

これは、IT開発の分野でコードを分岐させる「フォーク」という概念に似ていますが、ここでは専門的な知識がなくても、直感的に「会話を複製する」ような感覚で利用できます 。  

仕組みと操作方法

操作は非常にシンプルです。

まず、ChatGPTとの会話を進め、特定のメッセージから新しい「別の」会話を始めたいと思ったとき、そのメッセージにカーソルを合わせます。
すると表示される「…」アイコンをクリックし、「新しいチャットに分岐します」というオプションを選択するだけです。

ChatGPTのブランチ機能、新たなチャットの作り方

これだけで、元の会話の流れをすべて引き継いだ新しいチャットが自動的に立ち上がります。

元のチャットは変更されることなく保存されているため、いつでも戻って再開することが可能です 。  

従来のチャットとの決定的な違い

従来のChatGPTは、一つのチャットの中で会話が進んでいくだけでした。

途中で別のアイデアを試したい場合や、複数の可能性を比較したい場合、これまでの会話を消すか、新たにチャットを開き直す必要がありました。

しかし、ブランチ機能は、この体験を根本から変革します 。  

文章作成だけでなく調査、経営相談をしている時でも、「もし〇〇な場合、どうなるか」という複数のシナリオを同時に検討すべき場面に遭遇します。

ブランチ機能は、このような「もしも」の思考プロセスをデジタル上で再現し、可視化してくれます。

ブランチ機能を使って並行作業ができれば、思考が散漫になることなく、論理的に複数のアプローチを深掘りし、最適な解決策を導き出すことができるでしょう。

ブランチ機能の活用事例

ブランチ機能の使いどころはどんな時でしょう。

文章作成

隣地所有者が「立会する境界の根拠を書面で説明して欲しい」と言われて書面を作成している場合。

「過去の測量図や確定図、現況測量のデータを照合して~~」と書いていて、「今回は隣地側の登記簿面積は確保できていること書いた方が良いかも。でも、隣地の他の境界を確定するとズレる可能性があるのを説明しないと。」と思った時には、下記の2つのチャットに分岐するとそれぞれ整理して考えることができます。

  • 元の流れのとおり、一般的な説明の文章作成
  • 隣地について「登記簿面積は確保できている」「ただし、他の境界については確約できない(ズレる可能性がある」「良かったらウチで安価に確定測量しませんか?」という文章を作成する

2つの内容を1つのチャットで同時に進めていると混乱するかもしれないし、ChatGPTの回答も精度が落ちてしまいます。

しかし、分岐させることでそれぞれに集中して考え、より質の高い回答を期待することができます。

データ処理

エクセルを使った写真整理など、データ処理の方針が複数出てきた時にも役立ちます。

「杭の写真整理、『近景』『遠景』をファイル名で整理しますか?それとも『点名』で並び替え、画像処理を使って『近景』『遠景』を分類しますか?」

「どっちも試したい!」

こんな時も、分岐させればどちらのアプローチも試すことが可能です。

(必須)チャットの名前を変更する

チャットを分岐させる時には、チャットの名前を変更することが必要です。

分岐させるとチャットが1つ増えることになるので、似た内容のチャットが乱立することになってしまいます。

チャットが乱立してしまうと、どれで進めていたかが分からず、混乱してしまうおそれがあります。

そうならないように、分岐元・分岐先のチャット名は「境界説明(通常)」「境界説明(隣地面積について)」など、それぞれの内容と関係が分かるように変更しましょう。

名前は、該当チャット名の右の三点リーダー「・・・」をクリックすると「名前の変更」から変更できます。

分岐させ過ぎに注意!!

便利なブランチ機能ですが、事あるごとに分岐させているとねずみ算式に増えてしまうので、一つの話題では3つか4つ程度の分岐に抑えておきましょう。

ChatGPTの分岐(ブランチ)させすぎて樹木のようになり、花まで咲いて困っている人。

もしもそれ以上の分岐が必要なのであれば、内容がブレている、方向性が不明確ということが考えられます。

一度、その作業やプロジェクトの方針を固めるところからやり直した方が良いかもしれません。

まとめ

ChatGPTに新たに搭載されたブランチ機能は沢山思いついたアイデアの整理、それぞれの検討を深める、とても重要なアップデートです。

ブランチ機能はChatGPTから選択を迫られた時に「両方選択する」ことができる、贅沢な機能です。

しかし分岐させ過ぎないように1つのテーマでは3つか4つ程度に絞っておきましょう。

それ以上に分岐するような場合は、方針をしっかり固めてからやり直した方が整理できるかもしれません。

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